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WAGNUS Bialbero Epsilon Sをめぐる短く私的な会話:NEXT LEVEL

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GOZ : いやー、お目出度たいねえ。

MEZ : あー、ま、ついに身を固めるっていうかですね。
ご存じのとおり結婚することに決めたんですけど。

GOZ : まさか君が急にね。
なんか独身貴族を謳歌している者の筆頭を走ってたところで、いきなりね。
でも何にしろ、いいことだよ。
奥様になる人も深夜アニメ好きで、ヘッドホン聞くような人らしいじゃない。
MEZ : え、そんなことないですよ。向こうはそういう感じじゃなくて、仕事人間で。
帰ってきて、テレビでバラエティをちょっと見たら疲れて寝ちゃってますよ。
音楽もMP3でちょっと聴くだけだし。SACDとかハイレゾとか知らないし、
アナログレコードにウラがあることさえ・・・・。
GOZ : 知らんのね。いいじゃないの。
趣味が同じだとかえって微妙な違いで衝突するからね。
とにかく、今日はお祝いだよ、バチェラーパーティじゃないが、奢りますよ。
MEZ : マジですか。
独身がもうすぐ終わるとなると、
やり残したことはやっちゃった方がいいに決まってますから、
案外焦って散在しそうですんで、奢ってもらうと嬉しいですね。
GOZ : じゃ、なに買うの?ついにウィルソンのスピーカーとか?
MEZ : いやいや、そんな財力ないですよ
。まず中古のライカMPとハッセルでしょ。
それからDAPにつなぐポーターブルのヘッドホンアンプ、
しかも最高に音のいいヤツが欲しいんです。
詳しいですよね。推薦してくださいよ。
GOZ : 残念だけどポータブルは全くの門外漢であるねえ。
でも、このまえ、中野で研究会っていうか、こじんまりしてるけど、
マニアックなポータブルオーディオのショウがあって、
そこにポータブルとは別な用事で行ったけどね。
時間があったんで、あそこに出てたのはアラカタは聞いたは聞いたけど。
MEZ:だって昔、RSAのSR71持ってたじゃないですか。
あれはポータブルとしか言いようがないものですよ。実は、知ってるでしょ。
GOZ : いや、歩きながらとか電車に乗りながらとか、
そういうシュチュエーションで音楽聴かない、ほとんど。
でも、この前、自転車乗った時DAP借りて直挿しで聞いてたけどね。
TeraPlayer。カラッとした音だったよ。
MEZ : やっぱり知ってるんじゃないですか。
GOZ : 全然。あの世界はホントにマニアックな日本人が多いんだよね。
私なんて門前の小僧ですよ。日本が世界で一番マニアックなんじゃない?
でもDAPはなぜか中華製が多いし、ポータブルのHPAも中華製が目立つな。
色々とゴタゴタ言うけど、日本人は結局、あっちで作ったモノを買ってるよね。
MEZ : ポータブル界はチャイナフリーは不可能ですか。
別にこだわりはないから、いいですけど。音さえよければ。
GOZ : でも、俺が一番良さそうだと思うアンプは大抵、日本製だけどね。
ここにひとつ、いいのを持ってきてる。
ラップをやってる友達が地方のライブハウスに巡業に行くとき、
ホテルでトラック聞きながらリリックを書きたいんだが、
音のいいポータブルアンプないかって言うんで、好きなアンプを推薦したら、
ホントに買っちゃって。今、それ借りてきてるんだ。
MEZ : それを聞かせてくださいよ。これですか?
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GOZ : そう、WAGNUS Bialbero Epsilon S。
MEZ : ほー。そんで、このプレーヤーは?
GOZ : 例のレッドワインオーディオで改造したAK100。
これも推薦したんだけど。
どっちも借り物だから気を付けてね。
MEZ : AK100は持ってますけど、改造して音は良くなるでしょうか?
レッドワインの据え置きアンプの方は、それほどパッとしない音ですけどね。
RWAK100っていうんですか、へえ。見てくれはほとんど同じですな。
あ、レッドワインのロゴがこんなところに。
で、Epsiron Sの方は・・・これなんだか薄っぺらい板で出来てますねえー。
箱の作りはどうなんですか。ネジの頭みたいなものも見えるし。
頭が平らだから許しますか。
このヒサシみたいに出てるところも
トグルスイッチも尖っててカバンの中でなにかに引っかかりそうですよ。
角は丸めてほしいですな。これはプロトタイプじゃないんでしょう。
このアルミの仕上げしかないのですか?そりゃ寂しいですね。
ちょっと大きめでもあるし、見かけはそれほどでもないですな。
GOZ : そうねえ、なんか高級感は全くないよね。手作り感はかなり。
箱は少しカンカン鳴くようだしな。
とにかく、このケースはとてもキズが目立つ。
カバンに入れたりしてスレやすいものだから、
この薄手でキズが付きやすいケースの
材質とかデザインはなんとかならんのかね。
確かに、
この前聞いたKOJOの真鍮削りだしのボディのアンプと比べるとアレだけど、
箱に凝ってもいい音が出るとは限んない。
見かけ倒しはオーディオ界にはゴマンとあるし。
音がいいいから許すかね。
赤い、このボリュウムは悪くないカラーアクセントだけど、
やっぱ、全体のデザイン的にどうにかならなかったのかっていう気もするな。
そもそもBialberoって名前も良くないね、読みにくいし響きも美しくはないな。
逆にイイところを言えばさ、プラグは標準でミニを挿せないところがいいよね。
据え置き派としては入って行きやすい。そしてトグルスイッチ。見識だよ。
ここらへん、あえてそういうことをやってるところで、音質に期待がかかるわけ。
トグルの方が音がいいって話は方々で聞くから。
それから比較的軽いのもいいよね。
MEZ : 電池式ってのもいいです。エネループかあ。
専用バッテリー式だと、イザとなると交換も楽じゃないし、
専用バッテリーのストックがなくなる可能性まで考えて不安ですけど、
普通のエネループならなくなることはないでしょうからね。
GOZ : いろいろ電池を試すと、音質は電池によってかなり違うようだよね。
クリアでヌケが良く、力強いのはパナソニックの銀色のリチウム電池FR6SJ/4Bだね。
これが最高。続いてエナジャイザーもいいけど少し音がキツイ。
MEZ : へー電池がそんなに大事なんですね。
なにはともあれ、それじゃ、まあ聞いてみますか。FOSTEX TH900!これで聞くんですか?
しかもカルダスでリケーブルしたやつ。
GOZ : いや、いくつか試して個人的には、これで聞くのが一番良かったよ。
音量とボリュウムツマミの回す角度の関係も極端じゃないし。ホラ。
あと、WAGNUSさん、つうかTONEFLAKEさんはPAD EVOLUZIONEという
ボリュームを上げ易く、そしてインピーダンスも適合させられる
高品質な固定アッテネーターまで出してくれるんだ。
これも持っていれば、いろんなイヤホン・ヘッドホンとソースの組み合わせで起こりうる、
音が大きくなりすぎるんでボリュウムが上げられないという苦しみから逃れられる。
これはいいよ。音に対する影響は普及タイプのPAD-SOより小さい。
より透明な存在として、お薦めできる。どうせなら安いPAD-SOじゃなくコッチだよ。
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あ、聞こえてないのか。
MEZ : (試聴中・・・・・。)Oh。確かに、これはヤバい。
これはポータブルには聞こえないですね。細かくて、かつ太いですよね、この音。
プロ的に音像を太く描く傾向がありつつ、
その中で音の小さな起伏を逃さず捉えて聞かせてくれる細かさも兼ねてる。
抜群の定位の良さも忘れがたいですね。
いつも気になる音の温度感は・・・ちょっと高めかな。
いままで聞いたポタアンはどれもやや温度感が低いクールな音だったですね。
熱いまで行かないけど、少しアグレッシブだから、音の温度感は高めに出る。
DAPのせいもあるでしょうか?
GOZ : DAPの影響も、ヘッドホンのせいも、ある程度はあるだろうけどね。
俺にしてみるとプロオーディオ的な、音像をキッチリ描くことに終始するんじゃなく、
音場も感じさせてくれるのがいいんだよね。
確かにこのアンプ、ダイレクト感というか、
ステージかぶりつきでライブを鑑賞するような前のめりな部分はあるんだけども、
その音の背後にも注意が向くのよ。背景が下がって、音像が浮き彫りになるな。
それから繊細さだよ。ギンギンにエッジを立てて音の輪郭を表現しないんだ。
粗さがない。あれは映像でたとえるならピクセルが何倍にも多くなった
高精細画像を見ている感覚に似ている。
MEZ : 実はハイレゾでもなんでもないですよね、この音源。
ジェニファー ウォーンズのハンターの一曲目。16bit、44.1Kでしょ。
でもハイレゾみたいに、
ナチュラルな輪郭でありつつ音像が背景から際立って聞こえていますね。
なるほど、いままでの凡百のポタアンの音から、一皮も二皮もむけたモノなのですね。
GOZ :この手のプロオーディオ系のアンプは
音の鮮度の高さがウリなことが多いでしょ。
これも鮮度は高いけど、
こういうダイレクトな音にありがちな荒々しさだけじゃないところが面白いよね。
丁寧な音の描写とかが混ぜ込まれて感じられるのが愛しいのよ。
そういう複雑さというか、
荒々しさと丁寧さっていう矛盾した二つの音の側面が
一つのアンプの音として同居しているところね。
それが、このBialbero Epsilon Sが、
いままでの単調な音しか出せなかった大概のポタアンの音を
超えたところだと思うんだよね。次世代のポタアンの音の一つなんだろうな。
こういう複雑さを備えた出音になっていかないとYesとNoの間にあるような、
微妙であいまい、半ば矛盾した情緒に立ち入った音楽表現できないよ。
MEZ : そういう複雑さがアンプの音の奥にあって、
初めて複雑な内容のある音楽をかけて納得できるっていうことですかね。
なるほどー気に入りましたよ、その考え方もアンプもね。
いままでは、ポータブルアンプでやるような
ヘッドホンオーディオって音には一定の制約というか枠があって、
その言わば低いレベルの音の枠組みに限定された中で、
イイとかダメとか比較して喜んでたんですけど、
このEpsilon Sのレベルになると、
その枠組みをハズして
本格的な据え置きアンプと比較できる音になったってことなんですね・・・・。
GOZ : こうなったら二台買って、一台は奥様にプレゼントでもしたら?
MEZ : ソレはないですね。
聞いてもそこまでわかって貰えないでしょう。
やっぱ、オーディオって同じ土俵で議論しないと、かみ合わないですよ。
それって据え置き限定派とポータブル限定派のオーディオ談義が
実は、かみ合ってないのと似てるかも。
だいたい、もし二台買うなら
左右別のアンプでモノラル駆動にしたりとか考えちゃいますからね、むしろ。
それぞれのアンプで片チャンネルは遊んじゃいますけど、
電源が左右で別になるからセパレーションはよくなるかと。
プラグの改造が必要ですけど。
GOZ : バイアンプってのもあるらしいよ。
武蔵野音研のfi.Questっていうのと組み合わせて、
バイワイヤのスピーカーを帯域ごとに別のアンプでドライブするみたいに、
イヤホンの高域、低域のドライバーを
それぞれ別のアンプで制御するということらしいけど。
特殊な改造をしたイヤホンが必要だし、やたらにマニアックだけどね。
MEZ : そこまでは行けないなー。やりすぎって飽きますよ。
センス良く、ほどほどを目指したいですね。
ところで、そのfi.Questって有名なんですけど、
どんな音なんですか?聞いてないので。
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GOZ : あーあれはね、Epsilon Sより、もっと“美しい”音よ。
もっと細かくて柔らかめでシルキーな、わずかにだけど女性的な音だったね。
それから音に横の広がりとか奥行をさらに感じさせたよ。
全体に出音にゆとり・余裕がさらにある。
筐体を作る板の厚みはfi.Questの方があるし、
ロゴのデザインなんかもカッコよくて洗練されてる。
でも、なんかEpsilon Sみたいなダイレクト感がなかったね。
鮮度が低いっていうか、fi.Questを通すと
微妙に美的に加工されて出てくるみたいなところがあって。
だけどポータブルなDAPのサウンドって元来ショボいからね、
そういうプラス アルファがあってもいいと。
MEZ : プラス アルファね。
この前聞いたっていうKOJOのアンプはどうなんですか?
それもプラスアルファが結構ある?
GOZ : それはKOJOのKM-01 BRASSのことかい?
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いや、あれはfi.Questに比べて全然、素直な感じだよね。
プラス ナントカで魅了するものじゃないような・・・・。
そう、素通しに近いとも言えちゃいそうな、
DAPの音が自然にそのまま出てくる感じなんで、
DAP直挿しでも同じじゃないかと思って、実際に直挿しと比べたりすると、
なるほど良くなってるんだよね。
音に輪郭がしっかりとつくし、
細かいところまではっきり聞こえてDAPの音がきちっと出る印象だね。
高域には渋い輝きがあるし、中域にも厚みがあるし。
それから音の重心が低いよね、低域に重たさがあって、
ポータブルらしからぬ伸びのある低音が聞けるから。
それでいて音に重苦しい圧迫感まではなくて、聞きやすい。
音の様々な要素にバランスが取れてる優秀機だった。
値段もそこそこでさ、こういうKM-01 BRASSみたいな渋いアンプが、
訳知りのマニアにウケるんじゃないかな。
でもこうなるとDAPの性能が問われるね。
MEZ : KOJOのアンプは写真しか知らないけど、
なかなかゴージャスなエクステリアですよね。
この細かいキザミの入ったボリュウムツマミもカッコいい。
限定だし、売切れたらヤフオクで高く売れそう。
GOZ:そうなのよ。実物を手に取ってみると、
全身金ピカ仕上げのコスメチックも、
真鍮のインゴットから削りだした筐体のしっかりした作りも、
いままでヘッドホンアンプにはほとんどなかった豪華なモンでね。
しかし、音的にはそういう見かけを反映したような大袈裟な感じがなかった。
だから逆に私的には、音にもう一味なにか欲しいってのはあったのだけれど。
MEZ : そう言いつつも、どのアンプにしろ、
優れた据え置きのヘッドホンシステムの音には劣るんでしょ。
奥行の深さとか細部の描写の鋭さとか音の力強さとか。
いろいろな点で、このEpsilon Sでさえ不満はありますよ
、トップクラスの据え置きアンプと比較するとね。
GOZ : そんなこと言ったらスピーカーオーディオは、そのさらに上だよ。
例えばスピーカーオーディオで体験できる意味での音の地平線、
サウンドステージの展開みたいなものは、
どんなヘッドホンシステムでも、まだ見えてない。
でも現代の据え置きヘッドホンシステムは
スピーカーでは実現できない独自の境地を形成しつつあることは事実だから、
単純に比較しがたい状況にはなってきたよね。
ハイエンドヘッドホンシステムで得られる
球形のミクロコスモスにつつまれるような感覚は
スピーカーでは得難いぜ。
だけどポータブルヘッドホンシステムの世界には最近まで、
そういう独自の価値つうか、
独自の音と言っていいようなレベルの製品は、
ほとんど登場して来なかったのね。
小粒な音ばっかでイヤだった。
Epsilon Sとかfi.Questが新時代の先駆けになるかもと思うんだけど。
今後は、何か音楽ソースを絞って、それを上手く鳴らす、
あるいは誰も予想しなかったような
意外な魅力を引き出すといったような開発をやるのも手だよね。
そういう展開もあっていいと思わない?
MEZ : そりゃ、ひとつはやっぱり、
ポータブルの購買層のメインソースであるアニソンを
いかに美味しく、いかに可愛らしく、いかに瑞々しく鳴らすかにかかってますよ。
アニソンみたいな、一部でウケているけど
、既存の音楽とは別な視点から見て、別な聞き方しないと、
外からは良さが分かりにくい音楽にフォーカスして
アンプとかヘッドホンを開発するって面白そうですものね。
最先端の音楽であるアニソンに良さがあるとすれば、
並みのボーカリストには真似のできない声質じゃないですか。
メロディの斬新さとかアレンジの面白さとか、
演奏の上手さ、音作りの巧みさとかは、
他のジャンルの優秀曲と比較すればアニソンは全然大したことないけど、
独特の声の質では際立ってますから。本当に耳元で囁かれたような、
生き生きとした湿度のある近接感が欲しいですね。
それから声というものには高いところから低いところまで、
もっと豊富な階調があるはずだから、
音のグラデーションがさらに細かく豊かに表現できたらと思いますね。
Epsilon Sには音の粒子感の細かさは既にあるんだから、
そういうグラデーションの豊かさがもってあっていい。
それに色彩感がもっとあっていい。
実は、やることはまだまだあるんじゃないでしょうか。
GOZ : そりゃ、音質っていうのは上を見ればキリはないさ。
でーも俺はさ、このEpsilon Sあたりは評価したいんだよね。
ずっとポータブルのヘッドホンオーディオっていうのは、
どんぐりの背比べにしか見えなくて、
突き抜けた個性や能力を感じなかったので
無視してきたわけじゃん。けれどさ、
今回のこのEpsilon Sなんかには、
その両方が少なくとも、ある程度は有ると思わない?
やっと、こうやって注目していいような
アンプがいくつも出てくる時代になってきたのかなーと思ってる。
Epsiron Sとかfi.QuestとかKOJOのKM01-BRASSとか聞いていると、
それぞれ違った音の方向性がありながら、どれも今までのポータブルアンプから、
一歩抜け出た性能を持っているのが一聴で分かるよ。
MEZ : 言わばNEXT LEVELのアンプ群ってわけですか。
Epsilon Sにはそんな称号にふさわしい音の片鱗が聞こえる気がしますよ。
GOZ : 君も結婚してさ、人間としてもNEXT LEVELにまで行くんだから、
このアンプをプレゼントしたいところだが、
これはラッパーからの借り物だからねえ。
まあ、その代りに今日は奢るさ。丸ビルの上にでも出かけるか。

by pansakuu | 2013-03-08 20:13 | オーディオ機器