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SONY MDR-Z1Rを鳴らし切る②: GOLDMUND THA2で遊ぶ

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The beginning of play


「スピーカーという大道具を使わずに、どこまでいい音で音楽を聞けるか」それは近年、私が追いかけているテーマの一つである。
それは私の中で温められるうち、次のような言葉にTransformしていった。
「ヘッドホンサウンドの限界はどこにあるのか」
私はそれを知りたいと望む、内なる声に導かれ、未開の土地・道なき道を進む。
この旅がどんな世界へたどり着くのか、誰にも分からないのだが、
むしろ、そこがまた面白く、のめり込んでしまう理由になっている。
とりあえずの終着駅を知ってしまったスピーカーオーディオの世界とは
対照的な興味の高まりがここにある。


ところで、SONY MDR-Z1Rというヘッドホンは、
言わば上流の機材の真の力を映す「鏡」のようなものである。

とても素直に上流のサウンドを反映する側面が強い機材であることが使い込むほどに分かってくるのが嬉しい。この素直さ、この色付けの少なさは市場にあるヘッドホンで一等優れている。ならば、現世界で最も強力なヘッドホンアンプやDACをその上流にもってくれば、自然とヘッドホンサウンドの頂点が聞こえるはずと私は大雑把に考えていた。そんな不埒な動機のもと、Re Leaf E1x+NAGRA HD DACとGOLDMUND THA2を使った二つのシステムを組んだのは、数か月前のことだ。

Re Leaf E1xを中心とするシステムに関しては、造作なく納得ゆく音が出る。
E1xに関しては以前から様々な環境でテストしてきて、その使い方の理解が進んでいるからだ。実際、ここで注意すべきなのはバランス接続することのみである。
だがもう一方のTHA2に関しては、どうにも音がまとまらず苦心した。
このシステムの主眼はなにか?なにが一番重要なのか?
一時は作業を投げ出し、
セッテイングに凝らない宣言をして放置していた時期さえある。
こうしてみると、やはりTHA2は難敵。望むようなサウンドはなかなか得られない。


例えば、開封した段ボールから冷たいTHA2を出して、付属の安価な電源ケーブルをつなぎ、普通のノートパソコンとUSB接続した状態でMDR-Z1Rをつないで聞く。いわゆる“ポン置き”で聞く。この状態でも既に市販の20~30万円台のDACつきのヘッドホンアンプに比べ、十分にパワフルかつカラフルで各パートの分離の良い音であるのは、価格から見ても当然である。
音色としてはRe Leaf E1x+Nagra HD DACで聞かれる端正で精密な音調とは対照的。だが、音のグレードとしてTHA2はRe Leaf とNagra のコンビに明らかに劣る。


セパレートのコンビの方が音は繊細かつ懐の深い音で、澄み切った冬空を眺めるがごとく、SNはかなり良く、より盤石な安定感がさりげなく出ている。やはり投入されている物量の差が大きい。DACをセパレートして、電源も別にしてしまうとヘッドホンにしても、その出音はかなり良くなる。しかもこのE1xは凝った筐体に電流駆動と手数が多い。またNagra HD DAC、見かけは小さいが、ハイエンドオーディオの極みとも言えそうな素晴らしい内容を誇る。
THA2にとっては、素のままでは敵わぬ相手だ。


しかしTHA2にはRe Leaf とNagra のコンビに無い、音の色彩感やパワフルなドライブ力が備わる。この音の長所を伸ばすような形でケーブルやアクセサリーを選択・投入すれば、音のグレードの差は必ず埋まるはずだ。早速、いろいろな方面にメールを出しまくり、電話をしまくって、借りられる機材は借り、借りられないもので、どうしても試したいものについては購入した。届いたモノは全てTHA2に取り付けられ、あるいは結線されテストされた。(一部の写真は各社HPより拝借させていただきました。)


Investigation of noize, spike, insuleation base, volume control knob.......


まず取りかかったのは、ボリュウムを絞りこむと聞こえる「ジー」というノイズの除去である。多くのヘッドホンアンプを様々な能率のヘッドホンを用いて、様々なボリュウム位置で聞いた場合、時に小さなノイズの存在に気付くことがある。このTHA2の出音につきまとっていたノイズは環境由来のものでなく、デフォルトのものらしく、祭りなどでデモされている機体からも持続的に聞かれた。こういうノイズに関して修理を求めると大概、仕様ですといって返されることが多い。しかし、どうにも気になるので、ダメ元で代理店様に改善をお願いすると、意外にも懇切丁寧に対応してくださり、代理店様から帰ってきたTHA2からは、ノイズは綺麗さっぱりと消えていた。技術者の方に感謝である。

次に検討したこととして、THA2のデフォルトのスパイクフットがある。これは一見大きくて立派なのだが、拙い部分もある。それ自体が大きいので、筐体の高さから考えるとやや重心が高めになること。また高低の調節は一応出来るのだが、適切なところでピタッと固定できない。ロッキングナットがついていない。これだと使っているうちにスパイク受けとの間に隙間ができたりして、筐体が微妙に傾き、いつのまにか不完全な3点支持になってしまう。さらに右前のスパイクフットはねじ込み過ぎると中の配線や基板と接触するときている。ネジの部分が長すぎるからだ。そこで、いくつかのメーカーのスパイクを試したのだが、そもそもネジがついておらず筐体としっかり結合できないとか、重心が高くなりすぎるとか、スパイクの先端がすぐに潰れてしまうなど、要求を満たすものは少ない。
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最終的にオーディオリプラスから出ている特殊ステンレス製の高精度なスパイクRSI-M6-4Pを取り寄せて換装、さしあたりは良しとした。これは汎用高級スパイクの定番商品だが、スパイク自体がコンパクトなので筐体の重心はある程度低く抑えられる。また専用のロッキングナットも付属しているので、適切な高さでスパイクを固定できるのも良い。先端はR1加工され、全体に物性処理まで施されている。他社のものより値段は上だが、その分だけ抜きん出ている。取り付けると期待どおりに音の精度は上がり、リプラスの製品らしい音の粒立ちの良さが前面に出てきた。

次は、スパイク受けだ。
このTHA2、メカニカルグランディングを謳うのはいいが、肝腎のスパイク受けが同梱されていない。これだけ高価なHPAなのにユーザー側で適切なものを探すしかないという不親切さはいかがなものか。目指す性能を発揮しうるスパイク受けということで吟味し、二種の合金を複合したアンダンテラルゴのSM5-FT/P4やEau Rougeのドライカーボン製の製品などを試したが、どうもしっくりこない。SM5-FTは付けた後の音の感じが落ち着き、粒立ちの良い音になるが、若干金属的な響きが乗ってしまうとか、音がやや薄いとか、弱点もなくはない。Eau RougeのER-SB2はシンプルに見えるけれど意外に作り込まれており、音が整理されて静かにはなる。だが、どうも音質的効果の量が少ない。良い方向にも悪い方向にも、あまり変わらない。
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そこで私は前から気になっていた、TechDasのInsulation Baseを思い切って買い求めた。
これを持っている人が周りにおらず、十分なレビューもなかったのでね。
結果的に、これが“当たり”だった。
このグッズは純度の高い超硬ジェラルミンを切削加工し、ダイヤモンドコーティーングを施しただけの品だが、実物を手にすると他社の製品よりも工作精度が高いうえ、表面の滑らかさや硬さも一級、なによりスパイク受け自体の厚さがかなりあって効果が高そうだ。しかも、これだけ厚みがあるのに重量が随分軽いのに驚く。また設置面には見慣れない木材のような素材が貼り付けられ、金属と床が直接干渉するのを避ける。
持ち帰って恐る恐る聞いてみると、他の製品にはない効果があって驚かされた。音がスッと立体的に立ち上がり、きめ細かさがグッと増す。特に音の細部がさりげなく引き立つような感覚にゾクッときた。音の明瞭さだけでなく、金属スパイクらしからぬ音の厚みが現れる。今後Harmonixの木製フットなどもテストする予定だが、まだ先のことになりそうなので、とりあえずこのスパイク受けとスパイクの組み合わせでTHA2の足元は決まった。


さらにTHA2のボリュウムノブについて検討した。
バルナック型ライカの巻き上げノブを模したというGOLDMUND独特のツマミであるが、子細に検討するとこれでいいのかという感想を持つ。まずボリュウムパーツの軸が入る穴が微妙にセンターからずれている。果たしてこれは意図的なのか。またこれは単純に差し込むだけで固定されているノブであり、イモネジ等で軸としっかり固定する方式でもない。これに対して当初はレーザーでカットされたドライカーボン製のワッシャーを裏にあてて調音していたが、効果はいまひとつ。

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ところで、アンプではボリュウムノブを別な材質、形のものに変えると共振モードが変わるせいか、出音が変化するケースがある。これはREQSTという日本のメーカーが出しているR-VM33という音質対策のための交換用ボリュウムノブから得た知識である。現在はメーカー側に在庫がない状態であるが、私はこれを話のネタにと一つ持っている。必ずしも好みの変化をするとは言えないが、導入した機材にはいつも試す習慣である。これは比較的柔らかい無垢のアルミ材を切削加工、セラミックの細長いプレートを嵌め込んだだけのシンプルなもので、全体にやや大き目だが、イモネジが二本ついていて、しっかりと軸に固定できる。またセラミックプレートの付加は共振の制御に役立つということで、この会社の得意の手法だ。

とりあえずTHA2のボリュウムノブが頼りないので、R-VM33側の穴を少し広げたうえで、本体にテフロンとfoQで自作したワッシャーを介して取り付けると、付帯音が取れて出音が落ち着く。他方、ムンドらしい、あのペパミントフレーバーのようなスカッとした雰囲気が少し減るが・・・。
なお、このノブの取り付けの時に驚いたのはネジを締め上げるトルクの強さで出音が変わること。ネジを締めれば締めるほど、音のフォーカスが上がる。やり過ぎると軸が壊れるかもしれないので気を付けないといけないが、やはりMDR-Z1RとTHA2の組み合わせは微かなセッティングの違いを顕著に聞き分けるペアだなと感じ入った。

この作業、最後にはデフォルトのノブとの比較になるが、ここでかなり悩んだ。ライカもどきのノブも悪くない。音の良し悪しはともかく、特にフロントパネルの中でのデザイン上の納まりがいいから。R-VM33はこのパネルには大きすぎるか。結局R-VM33がデフォルトのノブよりも解像度の高い音になると最終的に判断、採用とした。小さな変化だがデザインでなく音を取った。

その他、ベースとなるオーディオボードとしてイルンゴ製のGrandezzaの最も分厚いモデルを敷き、天板の保護にはレーザーカットされたドライカーボンのプレートを特注してのせてある。天板が傷つかないようにすることと地盤を強化することはどういう機材を買って来ても、多かれ少なかれやっている作業のひとつだが、今回はTHA2の寸法が比較的小さいのですんなりと決まった。


Invsetigation of power cord.......


そして今回、最も苦労したのはTHA2のための電源関係のセッティングである。
THA2を扱ううえでここが一番重要だと気付いたのは、他の部分の設定を詰めた後であった。これに関しては国内外に声をかけ、電源ケーブルは15種類ほど、加えてその他の電源関係の装置もいくつか集めて試してみた。結果的には、ある電源ケーブルを除いて私を完全に納得させるものがなかった。そもそもTHA2はDACとアンプが一つの電源ケーブルで養われる格好になっているうえ、内部には4個ものトランスが詰め込まれている。これほど大規模な電源部を内蔵するヘッドホンアンプを私は他に見たことがないが、この内容からして電源に対する要求度が非常に高い機材であることが想像できた。
(蛇足だが、私の知っている情報では、THA2と称しているがトランスの数が少なく、足もゴム足というモデルも海外には存在するらしい。GOLDMUNDのヘッドホンアンプには一般に知られていない幾つかのバージョンがありそうだ。)

さあ、ここらへんで今回テストした全ての電源ケーブルを列挙したいところだが、諸般の事情で、全部をお見せできない。どうしても取り上げたい製品のみについて、略号をまじえて挙げよう。略号で表記した製品の正式名は察してもらうしかない。
JORMA AC LANDA RH II(私のメインケーブルで、常に数本投入している)、Chikuma Possible AC(開発されたばかりの最上級ケーブルでテストした時点でカタログにまだ出ていなかった)、AET Evidence AC(HRを持っている人がいなかったので古いモデルで我慢)、A社の最高級電源ケーブルA、AR社の最高級電源ケーブルFR、Nordost社の電源ケーブルODIN(PASSのアンプの付属品であるが、御厚意により短期間だが借りることができた)、そしてS社の最高級電源ケーブルKあたりが良かった。
なお、このブログ上ではこれらのケーブルのTHA2における音のインプレッションについて詳しく述べる気はない。私はできればこういうケーブルを使いたくないと思っているうえに、そもそも、おいそれとレビューできない社会状況である。それらを踏まえ、あえてひとことで言うなら高価なケーブルほど高度な音になるということだ。
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例えば、こういう豪華な打線の組み方をしてしまうと一般的には高級ケーブルであるはずのJORMA、Chikuma、AET、A社の電源ケーブルであっても存在感が薄い。極めて高価で重装備なAR社のFR電源ケーブル、NordostのODIN Power cord、S社のK電源ケーブルを聞いてしまうと、私の中では、それらに比して格下のケーブルの試聴はなかったことになる。やはりスーパーハイエンドケーブルの実力は流石だ。だが、これを導入するのかとなるとそうはならぬ。少なくともAR社のFR電源ケーブル、NordostのODINについては価格を抜きにして自分が求める方向性と違う気がした。
FR電源ケーブルはあきれるほどレンジが広く、彫りの深い滑らかな美音であり、低域の力が強い。これは真のハイエンドサウンドに分類されるが、弱点を挙げるなら導体のキャラクターが抜けきらず、音が柔らかくなり過ぎるきらいがある。
ODINは相変わらずスピード感・色彩感に溢れ、極めて高解像度調のサウンドであり、価格を忘れるほどの華麗さとシステムに対する強い支配力のあることを改めて確認。けれどこのケーブルは音を締め上げ過ぎ、いつも単調であり、私の求める音の触感とズレている。また、このケーブルは性能が高すぎて鼻につく。ここまで来ると度外れの高性能もある種のキャラクターの一つに過ぎないと、片づけてしまいたくなるのだ。

ふと思うのだが、このケーブルの弱点はこれだけ高価でありながら、自前でプラグを開発していないことではないか。Nordostはフルテックのプラグを流用して平然としているが、この価格のケーブルにしてその態度でいいのか。このケーブルを使ったシステムの出音にフルテックのサウンドキャラクターがかなり乗っているようで気になる。ここまでやるなら、オリジナルプラグを使用するS社の電源ケーブルを見習うべきだ。

では、最終審査の手前の段階でスルーしてしまった電源ケーブルの佳作について万策堂はどのような感想を持ったのか。結論から言えばJORMA、Chikuma、AET、A社の中で私にとって一番優れていたのは匿名のA社の製品であった。
これらのスルーされたケーブルたちは価格帯を考慮すればそれぞれに優れていて、その上のケーブルを聞かないで使う限り、どれもお薦めできるものだが、特殊なパワーアンプのようなTHA2を私のイメージ通りにドライブするには力が足りぬ。ただしA社のAケーブルを使った時の音だけは緻密で躍動的、中高域の解像度も高くて気に入った。今まで使っていたJORMAのケーブルでは聞こえなかったニュアンスが豊富に聞こえてくる。しかも価格はAC LANDAと同等でそれほど高価ではないときている。このケーブルは私の印象に残った。

とりあえず、それらの佳作ケーブルについて短評すると、ナチュラル・ウェルバランス・ピュア・クールと四拍子揃って秀でているけれど、やや線が細く、音色も淡色調に傾き、透明感を優先しすぎて、泥臭いブラックミュージックが全く聞けなくなるChikuma Possible AC。(Tunefulで十分いいと思う。)バランス感覚に優れたカラフルな音で、音の太さもなくはないが、この打線の中に在ってはニュアンスの表現が僅かに舌足らずであるうえ、少しばかり音の広がり、スケールも小さく感じるJORMA AC LANDA RH II。音の実体感と押し出しに長けるが、音場の表現に巧みさを欠き、長期のエージングによっても独特の音の硬さが取れないAET Evidence ACというところだろうか。回想してゆくとA社のA電源ケーブルはやはり素敵なケーブルだ。線材の影響か、私にはちょっと音が柔らかすぎる気がしたのと、MDR-Z1Rの低域の見通しが、AC LANDA以上には良くならないので採用しなかったが・・・。
そういえば、このケーブル、他のジャンルのメジャーな電源関係の製品を引き合いに出したくなるほど音の良い製品であったのも印象に残る。例えばこのケーブルは、電源絡みということで同時期に借りてテストしたアコリバのRPC-1という話題の製品よりずっと安価であるが、オーディオ的な効果はこちらの方がよりはっきりしていた。

ちなみにAcoustic revive RPC-1自体は何気に優れた製品で、しっかりノイズが取れ、音はスッキリし明瞭感や立体感を増す。いかにもアコリバらしい、この製品の一番良い所は細かい音質変化云々よりも通常のクリーン電源のように、電力の消費が大きくなった場合でも音が頭打ちになったりしないところだ。だが24万円の機材の効果としては効果の量が少し物足りない気がしたので手を出さなかった。忌憚なき意見を言わせてもらえば、半額ぐらいなら買ってもいいかなという度合いの効き具合だ。ORBやChikuma、オーディオリプラス等の最高級の電源タップを持っていないなら、そっちをまず先に買った方がいい。選別されたハイエンドタップがきちんとしたセッティングで使えていればRPC-1を付けたり外したりしても価格に見合う音質差は感じないはず。少なくとも、私のところではそうだった。
また別な考えをすれば、RPC-1は既にかなりの台数が出ているようなので中古で十分だとも思う。


それからIsotechのクリーン電源装置(フィルター)EVO3 Aquariusも試したのであるが、これはRPC-1とよく似た効果のある機材で驚いた。コンセプトも生産国も使い方も違うのに効き目の種類が似ている。音は澄んで、このようなクリーン電源フィルターにありがちな音の線の細さみたいな悪癖も極小である。これも悪くない。だが、これもRPC-1と同じくORBやChikuma、オーディオリプラスの最新かつ最高級の電源タップを買った方がいいという結論に至った。ただし、その結論に至った理由は同じではない。この機材に関しては消費電力の大きなシステムに使うとすると、単調な音の描写に終始する場面が出て来る。具体的には手持ちのORBのKAMAKURAに比べて、僅かに頭を抑えられ勢いが低迷する気配を感じた。静けさが勝る音であり、音量を上げてシビアに聞けば、うわべの躍動感はあっても、心底浸りきれない不安定さが音の端々に感じ取れた。これは私が求めるレベルあるいはTHA2の要求がやはり高すぎるのかもしれない。
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もちろんIsotechのクリーン電源装置に関してはTitanまで行けば、概ね不満のない結果が得られるのは分かる。だが60万の電源装置にしてコンセント2口のみ、経年劣化を脱がれないコンデンサのある回路(普通の電源タップにはそうした劣化のある部品がとても少ない)、ハイエンドタップに比べて造りが盤石とは言えない筐体となると、Titanに比べて安価な高級電源タップやRPC-1を差し置いて買うべきかどうかは思案のしどころだ。さらに進んでTitan+Aquariusで電源ネットワークを組むというのも面白そうだが、飽きずにずっと使い続けられる自信がない。むしろ、そこまでやるなら思い切ってSuper Titanだろう。この内容なら万難を排して持ち込む意味がありそうだ。これほど大規模な電源フィルターは他に類を見ないからだ。(③に続く)
by pansakuu | 2017-02-02 23:41 | オーディオ機器